result

2022年 第44回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会 3回戦 vsオルカ鴨川FC

2022年12月10日(土) 14:00キックオフ @栃木県グリーンスタジアム vsオルカ鴨川FC
早稲田 0 0 – 0
0 – 0
0 延長 0
5 PK 4
0 オルカ鴨川FC
  得点  
  警告・退場  
11 シュート 8
13 GK 8
7 CK 9
9 直接FK 13
2 間接FK 3
0 PK 0
スターティングメンバー
POS NO. 選手名
GK 1 近澤 澪菜
DF 2 夏目 歩実
DF 13 浦部 美月
DF 15 田頭 花菜
MF 7 三谷 和華奈
MF 8 井上 萌
MF 14 笠原 綺乃
MF 19 築地 育
MF 26 宗形 みなみ
FW 10 高橋 雛
FW 11 吉野 真央
リザーブメンバー
POS NO. 選手名
GK 16 石田 心菜
DF 28 小林 舞美
DF 33 淀川 知華
MF 17 木南 花菜
MF 18 白井 美羽
FW 20 大森 美南
FW 27 生田 七彩
選手交代
OUT IN
84 笠原 綺乃 白井 美羽
120 三谷 和華奈 生田 七彩

この試合の戦評

皇后杯3回戦が栃木県グリーンスタジアムで行われた。対する相手はオルカ鴨川FC。これで3戦連続なでしこリーグ所属との戦いになる。勝てばWEリーグ撃破へ大きく前進する。ここで去る訳にはいかない。東伏見で待っている仲間の為に、日頃からサポートしてくださるOB OGの為に、早稲田の誇りを胸に今日もピッチへ走り出す。

前半は相手ボールでキックオフ。立ち上がりから相手陣地でのプレーを試みるア女。6分、8井上が相手の隙をつき、背後にボールを送る。それに反応した10髙橋がゴール前まで迫るも相手DFに阻まれる。攻守の展開が早い中、13分、自陣右サイドを突破されシュートを放たれる。しかし、1近澤のパンチングで事なきを得る。17分、CKのチャンスが訪れる。8井上のキックはファーへ、そこに11吉野が頭で合わせるもポストに当たってしまう。19分、再度CKを得る。8井上のボールのこぼれ球を26宗形が反応し、シュートを放つも相手DFにブロックされてしまう。立ち上がりから臆することなる挑むア女。26分、ペナルティエリア外でFKを獲得する。26宗形が左足を振り抜くと、相手DFに当たりコースが変わる。しかし、クロスバーに阻まれゴールを奪うことができない。徐々に相手のペースへと変わる。33分、CKを与えてしまうが、全員の集中した守備でゴールを奪わせない。終盤は押し込まれる時間帯が続くものの、1近澤を筆頭に、2夏目、13浦部、15田頭のDF陣が身体を投げ出し、ゴールを死守する。拮抗した中、前半を0-0で折り返す。

HTでは前からプレッシャーをかけてくる相手に対して、繋ぐとき、背後を狙うときの差別化をした。また流れの悪いとき、全員が同じベクトルを向く為に、11吉野を中心にボールを集めることを確認した。

後半は早稲田ボールでキックオフ。立ち上がりから攻守の切り替えが激しい試合展開になる。56分、自陣右サイドを突破されクロスを上げられるが、1近澤がキャッチする。ア女は欠かさず反撃を試みる。64分、7三谷が鋭いクロスを上げる。そのセカンドボールを26宗形が拾いロングシュートを放つが、僅か右へ逸れる。攻撃の手を緩めないア女。70分、11吉野、10髙橋のコンビネーションで再三ゴールを奪いに行く。最後の決め切る力。1点が近くにあるが、遠くに感じてしまう。我慢の時間帯が続く中、相手のエースにシュートを放たれるが、クロスバーを超える。83分、10髙橋が意地のドリブルを魅せ、渾身の右足を振り抜く。しかし相手GKのビッグセーブにより1点を奪うことができない。84分、14笠原→18白井の交代を行う。89分、絶対に失点できないア女。CKを与えるも、集中した守備で絶対に得点を与えない。0-0でホイッスルが鳴る。90分で決着がつかないため、15分ハーフの延長戦を行う。

観客席にいるOBOG、保護者、現地サポートにまわった仲間を含めて全員で円陣を組む。最後に笑うのはア女だ。全員の力を借り、「楽しむこと」を忘れずに120分間の試合へ再度スタートを切った。

延長戦が始まる。95分、相手FWに背後を抜け出されるが、13浦部のカバーリングでピンチの芽を摘む。97分、相手のクロスはゴール方向へ飛ぶも、ポストに当たり救われる。1近澤の安定したキャッチングでゴールに鍵をかける。延長前半でスコアは0-0。このまま延長後半に突入する。107分、相手にCKを与える。クリアがラインを割り再度CKになるが、ゴールを奪わせず、クリアし、このピンチを守り切る。114分、26宗形のクロスに19築地が頭で合わせるも、ゴール僅か上へ。均衡を破ることができない。119分、再度26宗形がクロスを上げ、19築地がダイビングヘッドでボールを叩きつける。キーパーの逆をついたものの、相手DFのブロックによって得点することはできない。120分、7三谷→27生田の交代を行う。120分の激闘を終え、PK戦に突入する。

ア女は後攻となる。相手の3人目が外し、ア女は4人目まで成功する。ア女の5人目が決めれば勝ちとなるが、外してしまったため、サドンデスになる。しかし、相手6人目が外し、ア女の6人目、13浦部がキーパーの右側へ、魂の1発を蹴り込みゴールネットを揺らした。120分間に渡った激闘の勝利はア女が掴みきった。

2017年ぶりのベスト16進出。3戦連続なでしこリーグ1部突破。栃木県グリーンスタジアムは歓喜の渦に包まれた。私たちの下剋上は「WEリーグ打破・ベスト8進出」である。今日やっとその挑戦権を得た。ア女はスタートラインに立てたのだ。まだまだこの物語は終わらない。PK戦終了時に響いた勝利の笛は、始まりの合図だ。振り返れば、2022シーズン開幕7試合延期、8月から暗黒のトンネルは抜け出せず、怒涛の3連戦の繰り返し。勝てない日々があっても、絶対に下を向かなかった。絶対に疎かな日々を作らなかった。どんなときでもチームで競い創り続けた。だから、今がある。来週、同じスタジアムでの試合だ。最高の舞台で、最高の相手とできる。このチャンスを掴んだからには絶対に離さない。どこまでも喰らいつくのがア女だ。最恐の挑戦者は、ベスト8進出へまた一歩進み出す。

この試合の写真一覧

画像をクリックして拡大画像をご覧ください。(拡大画像をクリックすると元に戻ります)