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『ちょっと大事な事』菅原貴幸

振り返ると、非常にあっという間だったなと感じる。

いつもは優柔不断で何方付かずの返事でその場を乗り切ろうとする自分だが、入部を決意したときは自分でも驚くほどあっさりと、また清々しかった。

と同時に、悩むことの多い4年間だった。
相談すればいいじゃないか、と思われるかもしれないが、その悩みの種がア女だったのだから相談できるはずもない。

ア女に入った目的は、トレーナーとして活動するための実践的な活動場所ではなく、自身の偏見を払拭するためだった。そんな目的を伝える機会はほとんどなかったが、ア女の皆にとってはさして重要ではない。

失敗できないトレーナーとしての役割に、完璧でなくてはと自分を追い込む日もあった。
ただ、今振り返ると別にそんな姿を求められているわけではなくて、単に選手との距離感がわからずに選手を遠ざけているだけだった。

後悔先に立たずとよく言うが、全く以てその通りだなと。
怪我したくて怪我をする人はいないだろうが、その怪我から得られるものをもう少しだけ、10秒でもいいから考えてみてほしいと思う。
自分がいたポジションに別の選手が入っていて嫉妬心が芽生えるかもしれないが、自分の試合に出たいという思いだけが突っ走っていないだろうか。

試合に出たいという熱い心は必要だが、もう少し。
自分の体を、またチームメイトを見ることができる冷静な心も持っていてほしい。

ちょっとでも背伸びしようと小賢しく靴のかかとを踏むようであれば、大きく跳ぶための準備としてリハビリをするのも一つの策略じゃないか。

実希、伊代、舞水は大きく跳ぶための準備をきっと手助けしてくれるだろうから。

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『半歩後ろから主役の背中を
押すことができれば良いな』
この春彼が語った言葉。
その言葉通り私たちを客観視して
その時必要な言葉をかけてくれた。
いつも気を配り人と向き合う
彼の存在そのものが、
ア女の可能性を広げ続ける。

以上です。
残り二人となりました。
インカレまであと13日、
次回も是非ご覧ください。