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『あきらめの悪い女』荻原優花

毎年恒例の4年生の想い。

ついに私がこれを書く番になってしまったのかと、時の流れの早さに驚いています。
この4年間、本当にいろんなことがありました。特に今シーズンは異常なほどに。
まずはコロナウイルスという得体の知れない感染症拡大による3ヶ月の部活動休止。
あの期間を考えると、今無事に活動できていることは本当に幸せなことで、
たくさんの方のご尽力あってこそ成立していることなのだとつくづく感じます。

無事活動再開したチームは、新監督の熱いご指導のもと日々成長し続けていきました。
しかしすべてが順調に進んだわけではありませんでした。
個々の成長は羨ましいほどひしひしと感じます。
ただその一方で、チームとして、ア女としての強さを私は感じませんでした。
お恥ずかしい話、チームの緩さに腹が立ちシャウトしたこともありました。
同期の前で泣きながら訴えたこともありました。
ア女のみなさん、いきなりあんなに感情ぶつけてごめんなさい。
自分でも驚きました。こんなことできる人だったんだと(笑)
でも、それくらい本気だったんです。
春から今の今まで、何一つ変わっていません。

「日本一を決めるその瞬間の景色をピッチ上で味わいたい」
「全員が日本一を心の底から喜べるチームを作りたい」

これしか頭にありません。
そのためにできることは、なんでもしてきたつもりでした。

しかし、私に待ち受けていた現実はあまりにも残酷で受け入れがいたいものでした。
一難去ってまた一難。これまでのわたしの想いなどお構いなし。

なんでまた?
なんで私?
なんでいま?
ねえなんで??

神様は乗り越えられない試練は与えないとはよく言ったものですが、
どれだけ私を強靱なメンタルを持つ女にしようとしているんだと思うほど、
現実世界の私は理想とする姿から遠ざかっていきました。

「お願いだから、言うこと聞いて。」

日々思うのはこんなことで、正直限界です。あきらめようと何度も考えました。
どんな状況であれ、サッカーができるようになっただけで幸せなこと。
きっとこれ以上を求めるのは違うんだ。
何度もそう自分に言い聞かせて納得させようとしました。
でも、無理でした。
あきらめが悪い上に欲張りなんです、私。
一つ手にすると、また一つ、さらに一つと、次々に手を伸ばして行こうとする。
茨の道だと分かっていても、さらに辛いことが待っていると分かっていても、
あきらめることだけはできなかった。
「インカレ」は私にとってそんな特別な舞台です。
これまで夢物語で終わっていた舞台。
きっと思うようには行かないし、不格好かもしれないし、
今シーズン未だにユニフォームに袖を通すことすらできていないア女の底辺だけど、
とにかく足掻き続けます。
絶対に私は、最後の最後まであきらめません。
ピッチに立つことも、日本一になることも、日本一のチームを作り上げることも。

そしてなによりも忘れてはならない、大切にしていること。
それは、ここまでやってこられたのは多くの方々の支えがあったからだということ。
どんな時でも私の意見を尊重しわがままに付き合い続けてくれる家族や、
常に全力でサッカー、ア女と向き合い最高の刺激をくれるア女のみんな、
私たち選手を一番に考えサポートしてくださるスタッフの皆さん、
私の足を誰よりも知り尽くす通院先の理学療法士さん、
そして日増しに愛が強まっていく同期のみんな。
挙げればきりがないほどたくさんの方に恵まれ、私はここまでやってくることができました。本当にありがとうございます。
この恩を選手として返すためにも、残りわずかな時間をこれまで以上に全力で駆け抜けて行くので、どうか見守っていてください。

これまでのいろんな想いを胸に、
最後のインカレの舞台、私らしく輝きます!
そして必ず、「頂」獲ります!!
その瞬間まで、一緒に戦いましょう!!!

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彼女の言葉には、重みがある。
それは、彼女の「本気」が至る所から伝わってくるから。
本気で 自分 と向き合い、
本気で ア女 と向き合い、
そして、本気で 日本一 と向き合う、
そんな彼女を私たちは見てきたから。
手を伸ばして、一つ掴んでもまた一つ、
その繰り返しが今、一つの区切りを迎えようとしている。
足掻き続ける彼女の手が
「頂」を掴むのは、もうすぐだ。

以上です。
次回もお楽しみに!