「自分次第」
この四年間、自分の中で何回思っただろう
与えられた環境でどれだけ頑張れるかも
巡ってきた千載一遇のチャンスをどう活かすかも
挫けそうなときにどれだけ踏んばれるかも
ア女にきたことが正解かどうかも
全ては自分次第だ
そんな当たり前のことに気づくのに
私は長い時間がかかった
クラブチームで育ってきた私にとって
ア女は異質だった
環境のせいにするにはぴったりの環境
といったところだ
ア女の縦に速いサッカー
求められるのは球際、キック力、スピード
私のプレースタイルに当てはまるのは一つもなかった
詰んだ。
案の定、毎週木曜日に行われるゲバ（紅白戦）では、一分も試合に出られない
副審やりにきてるんちゃうねんけどなぁ
と心の中では思いながらも
「やります！」と精一杯の笑顔でフラッグを手に取り
定位置であるサイドラインにつく
ただただ先輩の活躍、同期の成長を眺める日々
何でここに来ちゃったんだろう、と
直感で早稲田を選んだ自分を後悔した
当時、2年生と3年生が主力だったア女
「来年もどうせ…」
そんな気持ちが私の中を埋め尽くしていた
なんの光も見えない
そんなとき私に変わるきっかけをくれたのは
帰省するために乗った新幹線で
先輩がさらっと言ったひとことだった
『オフ期間にどれだけ頑張れるかやで』
一年の中で唯一
周りとの、試合に出ている人との
差を埋められる期間
たかが１ヶ月、されど１ヶ月
誰よりも努力しようと決めた
「来年こそは…」
と狂ったように近所の池の周りを走り
坂道ダッシュ、苦手なアジリティ練習を繰り返した
今のア女で自分が求められることは何か
そのために自分に必要なことは何か
その中で活かせる自分の長所は何か
自分なりに考え、行動した
そして、2年生になった
初めてのメンバー入り、途中出場、スタメン
確実に前年とは違う景色を見ることができていた
どうしようもない日々に希望を見出すのも
現状をどう捉えるかも
それを変えるためにどう行動するかも
やめずに継続させるかも
全ては自分次第だった
ようやく気づくことができた
ア女にきてこの４年間で
満足のいく結果を残せたかと言われれば
決してそうではない
うまくいかないことばかりだし
伸びしろは有り余るほどあるし
悩み事は毎日尽きない
それでも
サッカーは最高に楽しい
毎日のように思う
みんなとするサッカーが楽しくてたまらない
ア女のみんなは
わたしにとって刺激的で
尊敬できる部分がたくさんある
魅力的な、大切な人たちだ
２日間会わないと「久しぶり！」ってなるくせに
髪の毛切っても全然気づいてくれない
他人に無頓着な雰囲気醸し出してるけど
実はただのコミュ障で繊細な乙女集団
だけど
サッカーに対しては向上心の塊で
仲間への思いやりに溢れているみんなと
少しでも長く一緒にサッカーがしたい
17年間のサッカー人生における最後の大会
全力で楽しみたい
これまで出会った指導者、トレーナーの方々、チームメイト、そして家族、
支えてくれた方々への感謝を忘れずに
そして
ア女にきたことが正解だったと
4年前の自分に証明するために
あと1ヶ月
まだまだ伸びしろ伸ばします
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大勢の観客に囲まれてプレーをする
そんな華やかな世界とは裏腹に
その景色を見るまでの道のりでは
暗く、終わりの見えない道を
歩かなくてはならない時がある。
必死にもがきながらも、彼女が逃げずに立ち向かい続けたのは
他の誰でもない”自分自身”だった。
簡単なようで、難しい。
しかし彼女には、それを体現する”強さ”があった。
泥臭くも力強い、そして何より、
見る人の心を奮い立たせる力を持つ
彼女のプレーは、こうして生まれた。
どん底から這い上がった彼女が
夢の舞台に立つその瞬間を、見逃すな。
阪本