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インカレ特集~四年生の想い・熊谷汐華~

 

いつからだろう。自分の思っていることや考えていることをはっきり言わなくなったのは。
いつからだろう。周りの人の言葉に流されやすくなったのは。
いつからだろう。自分で考え、決断し、行動することが怖くなったのは。

2017年12月。私は主将になることを決めた。

それまでの3年間、ア女の中でサッカーも人間関係もそれなりにうまくやってきたと思っていた私は、残り1年も今まで通りやっていればうまくいくだろう、そう思っていた。

けど実際は、主将なのにチームを引っ張っていくことができなかった。練習中に誰よりも声を出すこともできなかった。チームのために厳しいことを言うことすらできなかった。自分を犠牲にしてでもチームのことを考えようとしていなかった。

それは今までの3年間で積み上げてきた、”熊谷汐華”のイメージを崩すのが怖かったから。

だから毎日号令をかけてみんなを集合させる、ア女を代表して挨拶をする、業務連絡を忘れずに回す、監督や他のスタッフと話をする。
誰にでもできるようなことを淡々とこなしているだけの日々だった。厳しいことなんてひとつも言わず、誰からも嫌われないように、ヘラヘラと笑って過ごしていた。
また時には、自分は主将ではなくただの雑用係だと、心の中で皮肉っていた。

本当はこのままの自分ではダメだとわかっていた。自分が変わらなきゃいけないとわかっていた。でも変わることが怖くて逃げていた。そんな自分が嫌いだった。

ある日の夜、両親とご飯を食べながらサッカーの話をした。その頃の私はうまくいかない責任を他人に押しつけ、自分を守ろうとしていた。話す内容も薄い話ばかり。そんな私を父はわかっていたのだろう。

甘えてるのはお前自身じゃないのか。
そんなお前じゃチームは引っ張れない。
主将もサッカーも辞めてしまえ。

本当にその通りだった。
あまりにも図星だったから、悔しかった。

その時に気づいた。
一体今までの私は誰の目を気にしていたんだろう。やるべきことは明確で、すぐ目の前にあるのに、何を怖がっていたんだろう。

全ては自分の勝手なイメージで、そんな私では誰もついてきてくれないんだと。このままでは日本一にはなれない、と。

そこから私は変わったのだと思う。

誰よりも熱い気持ちを持とうと決めた。
誰よりもチームのことを考えようと決めた。
誰よりも結果にこだわることを決めた。

周りからどう思われようが、もうどうでもよくなった。日本一になるために必要だと思うことを、ア女のためにやりたい。そう思えるようになった。

自分の想いや考えをはっきり言えるようになった。
誰かに流されることもなくなった。
今の私は自分で考え、決断し、行動している。

まだまだ人としても主将としても未熟な私だけど、ア女のみんなへ伝えたいことがある。

それは、
このチームで日本一になりたい。
ということ。

みんなと、西が丘のピッチで優勝カップを掲げたい。喜び合いたい。

そのためにはこれから先、やらなければならないことや大変なことが沢山あるだろう。

それでもみんなは、日本一を目指す気持ちがあるだろうか。
本気で勝ちたいと、心から思っているだろうか。

私はもう覚悟を決めた。必ず優勝する、と。

日本一になることは決して簡単なことじゃない。私たちはそのことを他の大学の誰よりもわかっているはずだ。

それでもただ目指すのは、日本一の素晴らしさを知っているから。1年生の時に同期たちと4連覇しよう!と約束したから。

だったら今年もやるしかないだろう。

これまで3連覇してきたことが、奇跡や偶然ではないことを、紛れもなく早稲田の実力であることを、今年、日本中に証明しよう。

大丈夫。私たちなら、必ずできる。
みんなとだから、叶えたいんだ。

最後に。
両親、兄、姉へ。
これまでサッカーを何不自由なくやらせてくれてありがとう。応援してくれてありがとう。必ず結果で恩返しするからね。

4年のみんなへ。
絶対に日本一になろう。みんなと一緒なら、不安なことなんて何もない。この4年間のすべてを懸けて、共に。

後輩のみんなへ。
この1年間支えてくれてありがとう。でもまだ終われない。私たち4年を信じて、最後までついてこい。
一緒に最高の景色を見よう。
さぁ、いこう!
最後に笑うのは私たちだ。

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変わることには、勇気がいる。
それまでがそれなりに上手くいっていたなら、尚更だ。
しかしそれでも、彼女は変わることを選んだ。
表面だけ取り繕っても届かないものを、掴み獲るために。
一緒に目指す仲間たちを、導くために。
「キャプテンとして」この言葉が、どれほどまでに
彼女を苦しめ、そして、強くしたのか。
今、仲間の前に立つ彼女の背中は
誰もが、ついていこうと思う
誰もが、力になりたい思う
そんな、強く、優しく、逞しい背中になった。
彼女の内に秘めた、誰よりも熱く、誰よりも恐れずに
真っ直ぐ目標へ進む、その想いを表すように。
あと11日後、47人の仲間を連れた彼女が
キャプテンとして最後に挑む、「四連覇」への幕が上がる。

 

以上です。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!
あと11日で、インカレ初戦です。
ご声援のほど、よろしくお願い致します!!
それでは、失礼します。
阪本