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4年生の想い『繋げたい想い』生谷寧々

本日の担当は#19生谷寧々です!

こんにちは。

日頃より早稲田大学ア式蹴球部女子へのご支援、ご声援をしていただきありがとうございます。
残り少ない今シーズンですが、インカレに向けてより多くの方々に応援していただけるチームになるように精進して参りますので、よろしくお願いいたします。

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「チームに、自分に、サッカーに、向き合い続ける」と意気込んで幕を開けた今シーズン。

最初からそれができていたかと振り返ってみたら、全くできていなかったと思う。
まさに口で言っているだけだ。

たしかに、自分とサッカーに向き合うことはできていたかもしれない。
その二つに向き合うことは、
これまでのア女での3年間で自信を付けられるくらいやってきたことだし、
自分の得意分野だったから。

だけど、チームに向き合うことは苦手だった。
なぜなら、自分はチームを引っ張る立場になれないと思い込んでいたからだ。
サッカーの実力がないから、
自分がプレーや行動で全力を尽くす姿を魅せれば、何も言わずともついてきてくれると思ったから、
下からみんなを支えれば良いと思っていたから、
それしか自分にできないと思っていたから。

それでチームに向き合っているつもりだっだ。
だけど、それだけじゃダメだと教えてくれた人がいた。

「いつまでも引っ張ってもらうつもりでいいのか?」

始動して10日で言われた言葉だった。
いくらチームのことを想っていても、周りから見てそれを感じてもらえなかったら、考えていないことと同じ。
歯を食いしばるほど悔しかったが、言い返す言葉も出てこなかった。
素直にその通りだと思ったからだ。

チームのためにやっているつもりでも、
他人から見て気づかない程度の行動は、
やっていないこととほとんど等しいのだと痛感した。

幸いにも、シーズン初めの2月の段階でそれに気づかせてもらえた。だから、その日から行動を変えた。

とにかく声を出した。

下手くそだから、下の立場だから、実力がないから、と思い込んでチームの先頭に立たずに下から支えるだけの自分のマインドを変えた。

ーーー

すると次はチームのことに集中しすぎて、自分と向き合うことを後回しにしてしまった。

これまで、「自分」に向き合い続けて書いてきたサッカーノートだが、
なんとなくその日の練習でやったことを羅列して書くだけの日々が続いた。

これは、私の悪い癖である「ゼロヒャク思考(二極化思考)」が出てしまった結果だ。
要領が悪く、不器用な私は、2つのことを同時に卒なくこなせない。
チームか自分か、どちらか一方に集中してしまう悪い癖だ。
そんな自分を客観的に見ては、自己嫌悪に陥る、最悪の流れ。

すると、
自分だけ試合に出られない日々が続いた。
自分だけ出場時間が短い日々が続いた。
チームの中で自分1人だけがうまくいっていないと思い込んだ日々が続いた。

同時期に、関東リーグは3連敗が続いた。

みんなより試合に出る時間が少なかったけれど、毎試合後は悔しい想いがずっとずっと残っていた。

勝負の最後は気持ち。
気持ちで勝つ。
ただの根性論とは言われたくないけれど、
心の底から本気で相手に勝ちたいと思ってた。

どんなにチームのことを考えていても、
自分がプレーで体現して伝えることはできず、
ピッチにすら立つこともできなかった。

もう無理だ、
やっぱり自分なんてこの程度だ、
もうこれ以上、非力な自分に期待しないでほしい。

自分もチームも放り出してしまいたくなった。

だけどそんな考えは、
一晩思い悩むと次の日には必ず、
「がんばろう」
という感情に変わる。

不思議とその日のノートの締めくくりは、
「絶対諦めない。やるしかない。がんばろう。」
とポジティブな感じになる。

それは、ありがたいことに、私を引き留めるものが私の心の中に常にあるからだ。

今諦めたら、ここまで目指し続けてきた、大切な目標を捨てることになる。
今諦めたら、これまで支えてくれた人に何の恩も返せない。

以前もア女日記で書き残してきたことだが、
これまで本当に多くの人に支えられてきた。
だから諦めなかった。諦めたくなかった。

再びチームと自分とサッカーに向き合い続けることを、
不器用ながら、
だからこそたくさんの時間をかけながら、
やり続けた。

ーーー

その後、このサイクルが2回ほど続いた。

ーーー

そして、インカレまで残り1ヶ月となった11月にまたもやチームの雰囲気が重くなった。

4年生として責任を強く感じた。

もう一度、4年生で話し合った。

勇気を出して同期に自分の想いを伝えた。

同期1人1人ともたくさん会話を重ねた。

そんな中、ある人が背中を押してくれたから、
今更だけど、自分の心の中にあるブレない軸をチームに伝え続けようと思うことができた。
私のプレーと声かけで、このチームをもう1段階、変えられると思った。
日本一に近づくと思った。
だから実際に自分の言葉でみんなの前でも伝えた。

言ったからには自分が一番それを体現する義務が生まれる。
本当はみんなの前で言うことが恐いとか、
チームで一番にそれを体現できる自信がないとか、
今更遅いとか、
言っている場合じゃなかった。
ようやく殻を破った瞬間だった。

球際、切り替え、しつこい守備は、能力がなくてもできること。
やろうとすればできること。
下手な自分が一番わかってること。
だから伝えたい。
みんなに、熱く泥臭くピッチの上で闘って欲しいから。
もう二度と、同じチームの中で闘っている人と闘っていない人が混在する現象を見たくないから。
今シーズン、この1年間、苦楽を共に過ごしたア女2024の仲間全員と、最後まで闘いたいから。
これが私の信念だ。

ーーー

もう少しだけ、ア女のみんなに伝えたいことがある。

はじめは理想とはかけ離れたチーム状況に何度も何度も、
「そんなんじゃ足りない」
と言葉でも結果でも打ちのめされた。

そんな暗い状況の中でも、
みんなの意識が、
みんなの行動が、
少しずつ成長している姿を目の当たりにして、
支えているはずが、支えられていたのは自分の方だったと気づき、
改めて全員で日本一を獲りたいと思えた。

いよいよ最後の大舞台。
自信を持って闘おう。
本当の意味で、みんなは積み上げてきたものがみんな自身の中にあるのだから、自信を持てると思う。
みんなの積み上げを一番近くで見てきた自信がある。

練習前も、
練習後の電気が消えた後も、
アウェイの試合の移動前も、
試合後も、
オフの日も、
いつも誰かがグラウンドで練習していた。
自分に向き合い体力づくりをしていた。
何度もシュート練習をしていた。
何度も1対1をしていた。
何度も壁に向かってパス練をしていた。
トレ室で一生懸命にリハビリをしていた。
みんなそれぞれ自分の課題に向き合い続けていた。

みんなの努力は確実に、みんなそれぞれの力になっている。
「自信」は誰かに与えてもらうものじゃなくて、
自分で付けるもの。
みんなは十分に、自信を持てるほどの根拠を積み上げてきている。

だからこそ、インカレでは一人一人が自信を持って闘おう。
思い切りチャレンジしよう。
奪われたら全力で奪い返せば良いだけだから。
周りも仲間のチャレンジを全力でフォローしよう。
ピッチの上で助け合おう。
そして、絶対勝とう。
日本一になろう。
みんなと見たい景色がある。
そのために、自分の大学生活のほとんどをア女にかけてきた。
私は最後まで諦めない。
だからみんなにも最後まで求め続けたい。

ーーー

最後に、今の気持ちを少しだけ。

最後の最後まで、チームのことを考えることはやめない。

その上で、

“自分が試合に出ることも絶対に諦めない”

自分の心の底から生まれる不動の欲求と、
託された想いがあるから。

1年生の時に日本一となった翌々日に、
涙を流しながら私に想いを託してくれた4年生の顔が忘れられないから。

これまでのア女の4年生が、去り際に託してくれた想いを、私は受け継いでいるから。

大丈夫。できるよ。
といつも信じてくれているから。

まだまだ成長できる。
残り何日になろうが関係ない。
最後の最後まで成長し続ける。
自分の可能性を自分が一番信じてあげる。

辿り着けるかどうかは誰にもわからない。
だけど、可能性が少しでも高まるのならやり続けたいと思う。
そうやって闘ってきた先輩たちが残してくれたチームがこの組織だから。
それを見てきた3年間があったから。
そんなチームを最後は自分の手で残して、この組織を去りたい。

残り少ない日々も、ア女にかける。

チームも自分もサッカーも大切にする。

最後まで全員が頂に向かって翔き、
全員が象徴となろう。

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不安と緊張で入部を決めたア女。
それでもサッカーが大好きで、決してこの挑戦から逃げることはなかった。
どんなに苦しくても仲間から学び成長し続けた。

自己だけでなくチームにも向き合うと決めた4年目。
再び高い壁が彼女の前に立ちはだかった。

悩みもがきながらも見つけ出した答え。
『熱く、泥臭く、闘う。』

先輩から引き継いだ想いを体現し、チームに要求し続けた。
そんな彼女の姿にどれほどの人が背中を押されただろうか。

彼女とともに笑顔の冬にするために、繋げたい想いを”全員が”体現し翔頂となろう。

阪本