本日の担当は#7 笠原綺乃です!
高校3年の12月。
みんなよりひと足先に進路が決まり、周りの人たちが参考書を開いて勉強する中、
満員の江ノ電に揺られながら読む『ア女日記〜4年生の想い〜』が、
私の毎朝の楽しみであった。
確か2020年卒の4年生の日記である。
これからどんなア女生活が待っているのだろうと、少しの期待と大きな不安を抱えながら、
迎えるシーズンを待ち侘びていた。
あれから約4年、
今度は私が4年生の想いを書く立場になったのだと時の速さを感じる。
最後のア女日記。貴重なこの機会にはやはり私が過ごしてきた4年間を
振り返ってみようと思う。
少し、いやだいぶ長いですが、お付き合いください。
ア女1年目。
コロナに振り回されたシーズンだった。
待ち侘びていた入学式、GW合宿、早慶戦、夏合宿、キャンパスライフ、、、。
色々なものが予定通りに行われなかった。
合流日初日は、
東京出身の同期3人組(若葉、和華奈、美月)に、私がひとり。
同期だと思われずにケア部屋の3人席で1人だけハブられた瞬間を今でも鮮明に覚えている。笑(今となっては笑い話です)
初日のフィジカル測定では、自信のあった持久力も平均以下。
普通のポゼッションがきつすぎて死にそうだった。
足の裏のマメが痛すぎたけど、
共有グラウンドで半泣きのまま2部練のベートレをやった。
心も身体も結構やられた。
早く実家に帰りたいと、ホームシックになりかけた時に起こった緊急事態宣言。
初めて実家を旅立ったかと思えば、
すぐに実家に戻る訳の分からない期間であったが、
私にとっては心を整理し、自分と向き合う良い時間であったのかもしれない。
ひたすら1人で筋トレとzoomの授業、
午後には走りのメニューを終わらせて、
夜に1本の映画を見るという日々を繰り返した。
同期とはzoomで人狼をやったりした。
まだ直接全員で会ったことがないから、
キャラが探り探りであまり盛り上がらなかった。
寮に戻ってからは、
寮の同期と東伏見公園でズンバを踊った。
石神井公園で散らばってタバタもやった。(途中走る方向が被って出会っちゃうこともあったり)
6月中旬、
やっと部活の停止期間を終え、チームが合流した。
この時に初めて、同期の智里、美南、舞水、朋香と全員揃って3Dでのご対面。
まだみんな今ほど個性的なキャラではなかったな、、。
関カレは今のように通年ではなかった。
試合当日に入るメーリスは、
コロナ陽性と延期の連絡じゃないかといつもソワソワしていた。
覚えているのは、面白いくらい毎試合当たり前に勝ち進んでいくこと。
もちろん当たり前ではないのだが、勝つことが普通で、絶対に負けてはいけないという今まで感じたことのない基準の高さを感じた。
関カレは1位。
それでも、個人としてスタメンで出た試合は1試合もなかった。
インカレは出場する間もなく終了。
シーズン最後の早慶戦では、ごっつぁんゴールでMVPをいただいき、
かろうじて爪痕を残した。そんな1年だった。
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ア女2年目。
みんな覚えていないであろう、関カレ開幕戦ロスタイムの勝ち越し弾。
いや、へなちょこヘディングシュート。
個人的には結構嬉しかった。
このシーズンからちょくちょくスタメンとして試合に絡めるようになってきた。
それでも途中交代で入ったり、全く出れなかったりの瀬戸際を行ったり来たり。
練習でうまくいかずに落ち込んだ日は、寮の食堂でみんなでご飯を食べてリフレッシュ。
ただのゴミ捨て男気ジャンケンに30分くらいかかった。笑
心の底から笑い、切り替えることができた。めちゃくちゃ楽しくて救われた時間。
寮の皆さんありがとう。
4冠を掲げていたこのシーズンも、1試合も落とせないと開幕から10連勝くらいした。
毎日の練習に緊張感があって、インカレ前のゲバはもうバチバチで楽しかった。
インカレ兵庫ラウンドには途中出場することができたが、
東京ラウンドでは、雪が降り積もるピッチをずっと、
ベンチから見守っていた。
結果は、「日本一」。
優勝してめちゃくちゃ嬉しかったけど、試合に出たかった。
出て、勝利に貢献したかった。
嬉しさと同時に少し悔しい気持ちも残った。
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ア女3年目。
ありがたいことに、スタメンの機会が増えた。
この頃から時の流れがとても早く感じる。
上級生となったことで、チームの勝利に対する責任感もより一層深まった。
皇后杯ではなでしこリーグを3連続で倒し、ブラボーキャラが確立された。
来年からは誰がやるのだろう?寧々ちゃんに託そうかな。よろしく!!
そして、目標にしていたWEリーグとの対戦。
あと一歩の壁が分厚かった。
スコアや結果以上に、個人としての無力感を感じた。
すぐに迎えたインカレは兵庫ラウンドで敗北。
あっけなく終わってしまったシーズン。
特に最後の方の大会は何も残せなかった。
もっと強く、恐い存在になる。そう決めた。
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ア女4年目。
「誇闘」を掲げてスタートした新シーズン。
4年になってたくさんのことを同期で話し、決めることが多くなった。
今年はどんなチームになるのだろうと、
迎えた関東リーグ、関カレ開幕戦は共にスコアレスドローの引き分け。
1.2年生の時は勝つことが普通の世界であったから、
これから先への不安が募った。
そんな中、東京国際戦でなんとか1点をもぎ取り、シーズン初勝利。
嬉しさよりも安堵の気持ちが大きかった。
散々苦しめられたコロナ禍も収まり、有難いことに
最初で最後の夏合宿や早慶戦男女合同開催、公式戦も予定通り行われた。
関カレは2位。
最後の年に、全試合フル出場を果たすことができた。
しかし、最初の目標としていた皇后杯は2回戦敗退。
残す大会はインカレのみとなった。
ざっと今までの思い出と共に、4年間を振り返ってみた。
改めて、色々なことがあったなあとしみじみ感じると同時に、
本当にあっという間な4年間だったなと思う。
その中でも確実に言えることは、
「ア女に来て正解だった」ということ。
4年前、
臙脂を纏ったア女に憧れ、日本一を目指すことを決断した自分、
早稲田に入るために全力でサポートしてくれた家族や友人、
先生方には心から感謝したい。
そして、信頼できる最高の仲間に出会えたこと、
互いに高め合い、刺激を与えてくれる仲間に出会えたこと、
ここに来て、サッカー選手としても、一人の人間としても間違いなく成長できた。
辛くて嫌になることもたくさんあったけれど、
結局はサッカーが好きで、
みんなと点を決めて喜び合う瞬間が好きで、
練習後の疲労感が好きで、
グランドでくだらないことで笑い合う時間が好きで、
ここまで乗り越えて来ることができた。
もし今、
サッカーがつまらないとか、
練習に気持ちが乗らないと思う人がいるのならば、伝えたい。
「未来を想像しろ」と。
私が今まで精神的にキツイ時、
やる気が全く出ない時、受験勉強の時もそうだった。
挫けそうになる時、サボりそうになる時にはいつもこの言葉を自分に唱えていた。
少し先の未来を想像して、自分はどうなっていたいのかをイメージした。
そうすれば、今やるべきことが見えてくる。
今サボれば、あとで泣くことになる。
今頑張れば、あとで嬉しいことが待っている。
未来の自分はどうありたいのか。どっちの自分でいたいのか。
仮に結果がすぐにはついて来なくても、
その過程に大きな意味がある。成長へと繋がる。
自分を信じてやり続ければ大丈夫。
“その時”は必ずやってくる。
今までがそうだったから。
12月に入り、卒論に追われながらこの文を書いている。
寮からグランドへの道。
押すのだか引くのだか分からない競スポ前の入口。
片付けた翌日に散らかる部室。
入った瞬間反応して水が流れる部室前のトイレ。
照明が消え、真っ暗になった誰もいないグラウンド。
伏見の空は180°開けているから寝転がるとプラネタリウムみたいになっている。
こんな何気ない日常の風景も、あと少しで終わってしまうのだと思うと
ものすごく寂しい。
そして何より、
羨ましいほどよく声が通り、仕事が早く完璧で、組織の変化にいち早く気づく歩実。
(手のクセが粗品、オーバーリアクションしがち、オムライスが好き)
主将として多くのプレッシャーがかかる中、背中で、行動で示し、みんなから絶対的な信頼を得ている若葉。(たまにお茶目、ガハガハ笑う、もつ煮頼みがち)
私と同じH S P仲間。泣き虫だけど誰よりも組織に対する想いと自分の軸を持っている璃子。(高カロリーの甘い食べ物が好物、笑顔が素敵、喜怒哀楽が分かりやすい)
いつも明るくチームを盛り上げ、よく分からない絡み方でみんなから慕われる美月。(一番垢抜けた、パーマは同期からの勧め、面白さは皆無、いじり方が雑)
チームに対する責任感が強く、大事なことを言葉で真っ直ぐ伝えてくれる和華奈。(ポンコツ、食の趣味合う、共通点ありすぎ(一時期バイトも寮も授業もサッカーも全部一緒))
大きな怪我をしても、毎日リハビリに励み、チームにできることを率先して行う美南。
(毒舌、いつもどら焼きか大福か伏見団子食べてる、niko and…でしかない)
関東リーグでチームを引っ張り、皆の意見を聞き入れて核心的なことを言ってくれる智里。(ニコニコ、ホワホワ、地元が一緒、笑顔が素敵②、ショートが似合う)
誰よりもア女を愛し、選手のためを思い、気が利きまくる敏腕マネージャー朋香。
(滑舌△、ツッコミ○、目の変化率◎、学年会への参加率△)
たくさん同期に怒られながらも、一人前のトレーナーへ成長し頼もしくなった舞水。
(いつも眠そう、バイトしすぎ、オフは激辛ラーメン巡りかレッズの応援、実は双子)
この最高で頼りになる同期と共に過ごせるのもあと少ししかない。
だからこそ、一緒に最高の景色を見たい。
1ヶ月後、私は笑っているだろうか。
最高の仲間と共に過ごした4年間を、悔いなく終えられているだろうか。
ア女に憧れ、抱いたあの日の夢を、
初めて臙脂に袖を通した瞬間の高揚感を、
全てが嫌になり、一人で泣いたあの日の涙を、
この4年間で味わったすべての想いを乗せて
優勝カップを西が丘のピッチで掲げ、
たくさんの想いがこもった最後の
「ブラボーーーーーーー!!!!」
を叫んでいる未来の自分を想像しながら、
ア女生活最後の瞬間まで、誇りを持って闘い抜く。
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憧れを抱いて入部した”ア女”という組織
想像を絶する周りのレベルに圧倒され
悔しい思いも陰ながら沢山経験した
しかし
どんなに辛い時も彼女は強い決意を持ち続けた
「もっと強く、恐い存在になる」
決して言葉数は多くないが
理想の未来を現実にするため
この決意を胸に
プレーで、姿勢で、背中で
私たちに示してくれた
そんな彼女の日本一に懸ける想いは
ア女を”最高の未来”へ導くだろう
大好きな仲間と過ごした4年間
みんなと見続けた大きな夢
いろいろな想いを乗せて
最後の瞬間まで全員で闘い抜く
「ブラボーーーーーーー!!!!」
彼女の声を日本一の景色で響かせるために
大庭