【辻翔子(つじしょうこ)2011年卒】
1988(昭和63)年8月12日生まれ。2011年3月、スポーツ科学部卒業。高校1年生(16歳)からサッカーを始めた(国際基督大学高等学校)。ア女在籍時は、3年・4年時(2009年・2010年度)にインカレ連覇を達成。
早稲田大学卒業後、スペインに渡り、マドリードの大学院でスポーツジャーナリズムを専攻。その後、バルセロナのコーディネート会社に就職し、ラ・リーガの現地取材や中継を担当。2016年に国際サッカー連盟(FIFA)が運営する大学院「FIFAマスター」に進学。卒業後、ライブ配信会社ELEVEN Sports(旧MyCujoo)に就職し、150ヶ国以上のサッカーリーグや連盟にライブ配信を導入。2020年夏に副業として海外スポーツ界に進出したい日本人を支援する「SPORT GLOBAL」を創設。アムステルダム(オランダ)在住。
ア女での経験を生かしながら、選手としてではなく、メディアの視点に立って今もなおサッカーに携わり続ける辻翔子さん。そんな彼女から、ア女での経験が現在にどのように生かされているか、今の仕事を選んだ理由などのコメントを頂きました。
〈ア女時代〉
強豪校出身でもなく、高校からサッカーを始めた私は、ア女には到底入部できないと思っていた。しかし、練習見学した際に当時の主将の武末彩子さんに「上手くなりたいという気持ちさえあれば大丈夫」と後押しされて、入部を決意した。それからの4年間はまさに試練の連続で、練習についていくのに必死だった。怪我も多く、悔しい想いをたくさんした。ただ、自主練に付き合ってくれた同期や忍耐強く指導してくれたチームメートやスタッフのおかげでなんとか4年間やり切ることができ、そして大学4年のときにはインカレ連覇を達成し、有終の美を飾ることができた。学連や副将などの役職を通して、ピッチ内外で貴重な経験を積むことができたのも良い思い出だ。
〈今の仕事を選んだ理由〉
大学4年時に履修した「スポーツジャーナリズム論」という授業をきっかけに、「スポーツを伝える」ことの奥深さを知り、卒業後は「サッカー×メディア」を軸としながら、スペイン、シンガポール、そして現在はオランダで仕事をしている。現職では普段テレビで放送されないようなサッカーコンテンツの露出を増やすことをミッションとして掲げており、150ヶ国のサッカーリーグや連盟にライブ配信を導入している。今となっては当たり前になりつつあるライブ配信だが、入社当時はまだ一般的ではなく、導入に苦しんだ。そのときに一番のモチベーションになったのは、「海外からなでしこリーグで活躍するア女の同期の活躍が見たい!」「ア女の後輩たちの試合が見たい!」という想いだった。なでしこリーグや関カレのライブ配信に成功し、海外から元チームメートの活躍を画面越しで見られたときは心の底から嬉しかった。
〈現在に生かされているア女での経験〉
海外に出てからは楽しいことばかりではなく、辛いこともたくさんあったが、ア女で身につけたメンタルの強さのおかげで何事にも動揺しなくなった。また、スペイン時代はア女の後輩のスペイン移籍をサポートしたり、FIFAマスターでも大滝麻未選手と同級生になったりなど、不思議なことにア女との繋がりはどこに行っても絶えない。卒業して10年経った今でもア女時代に培ったネットワークと経験は私にとって大きな財産になっている。
今回、30周年企画~OG連載~として、辻翔子さんにご協力頂きました。ア女で培ったものを存分に発揮しながら、海外で「スポーツを伝える」ことを追求し続ける彼女から、プレイヤーではない立場からもサッカーに関わる選択肢があることを教えて頂きました。
ア女のOGである辻翔子さんの益々のご活躍を部員一同、お祈り申し上げます。
次回のOG連載もお楽しみに!
編集:津田