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「5⁄16」1年・羽田拓矢

 

🌟羽田拓矢(ハダ タクヤ)
⚽️目黒区立東山中学校 → 東京都立駒場高等学校

 


 

小学校から高校までの12年間。私がプレーヤーとしてサッカーをやってきて試合に出ることができていた時間。いわば私がピッチ上で輝くことのできていた時間。それは12年間の内たったの1年間。
他人から見れば、『サッカーにいい思い出はないのではないか?』『サッカーはもういいのでは?』そう思われるかもしれない。それでも大学で、早稲田で、ア式蹴球部でまた4年間サッカーに励むことを決意した。しかも、プレーヤーではなくマネージャーとして。

 

大学サッカーに関わり始めて半年。面白い。想像以上に面白い。もう後がないと必死にもがきプロを目指す選手がたくさんいる。チームの運営に携わりながらも、大学サッカーが最後と心に決め必死に試合に出ようと食らいつく選手がたくさんいる。そんな選手たちをそばで見つめ応援する。楽しくて仕方がない。

 

部員日記を書くにあたり入部してからのことを振り返ってみた。
前期、チームは関東リーグで優勝をして波に乗っていた。
7月には初めての早慶戦を経験した。舞台の大きさに圧倒され、自身の未熟さに落胆しつつも来年こそはと決意した。しかしふと思い浮かんだことがある。

『自分はこの組織において果たして必要な存在なのだろうか?』
正直『はっ』としてしまった。どこかで感じつつもなんとか逃れてきたことに不本意ながら向き合うことになった。マネージャーとして私は普段、練習時にはボトルに水を入れ、ビデオを撮り、副審を手伝う。練習後には練習で撮影したビデオを共有し、翌日に試合があれば試合の資料を印刷する。
『あぁ』自分じゃなくてもいい。去年までマネージャーが1人で人手が少なかった時、全て選手たちが行ってきたことだ。自分の存在は選手の助けにはなっていても必要な存在ではない。

 

それは楽しいはずだ。自分の出来ることだけやって、感謝されていい気になっていた。選手の応援をして一緒に戦っていた気でいた。好きなサッカーに関わり、好きな人たちに囲まれて満足していた。『そうじゃない』
この環境だからこそ、自分の能力では出来ないかもしれない、きつい・辛い・無理だと思うことを、好きなサッカーへの想いと共にチームのために挑戦してみるべきなんだ。それが私のア式蹴球部での存在意義だ。

 

今まで自分が行動するとき、人をモチベーションとして行動してきた。あの人のために、みんなから好かれたい、感謝されたい、そんな思いを持って。目の前のことに一生懸命になっていれば道は開ける、そう思ってやってきた。

そろそろ人から、目の前のことから卒業しよう。
自分の中にやるべきことを落とし込み、ポジティブに捉えてモチベーションに変える。顔を上げる。ビジョンを見据えそこに対して一生懸命になる、ビジョンが明確ならばその過程に対していつでもパワーを持って臨むことができる。

誰よりも気づける存在に。憩いの存在に。ピッチの外にはアイツがいる、アイツも戦っている。だから安心してグラウンドで俺らも戦える。そう選手に思わせる存在に。

 

5⁄16

私が12年間のプレイヤー人生をピッチで輝けた時間はたったの1年。でも、サッカーに16年間携わる決断をした。サッカーを通して輝くチャンスはまだ残っている。
ア式蹴球部での4年間。ピッチ上で躍動する選手に比べて、煌々とは光っていないかもしれない。それでも芯は強く深く輝いてみせる。

選手たちに負けない輝きを放ちながら彼らと一緒に戦ってみせる。

 

この写真は、7月7日に行われた早慶戦後に私と同じ都立駒場高校出身の上級生で現在主務を務めている秋葉さんと撮った写真だ。秋葉さんは主務としての仕事を完璧にこなしつつ、選手としての夢も諦めずに日々努力を続け、関東リーグへの出場を果たしている。
彼は私にとって憧れの存在であり、尊敬してやまない人物だ。しかし、それと同時に私の目標でもある。
彼ほどの能力は私にはない。それでも、秋葉さんの姿をしっかりと目に焼き付けて都立駒場、そしてア式蹴球部の後輩として彼の意志を引き継いでいきたい。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。
最後になりましたが、OBの皆様、保護者の皆様、ア式蹴球部を応援してくださっている皆様、今後ともア式蹴球部への多大なるご理解とご声援を宜しくお願い致します。