11月5日、早稲田大学ア式蹴球部の
二部への降格が決まった。
その瞬間“降格”の実感は全く湧かなかった。
降格の悔しさよりも
自分の無力感が強かったからである。
自分はこのチームに何も貢献出来なかった。
チームが苦しい時チームを救うことが出来なかった。
もっと自分のやれることはあったのではないか。
様々な想いが頭の中をよぎった。
2016年シーズンが終わり、
2017年シーズン一部昇格を果たすために
何が必要なのかを自分なりに考えた。
自分が出した答えは“二年生の変化”である。
降格が決まった次の日、
ミーティングでスタッフの方々から
二年生に対して厳しい言葉がかけられた。
悔しかった。
しかし、同時にいつか“見返す”
という強い気持ちが芽生えた。
二年生は入部当初から真面目でひたむきではあるが、
一人のサッカー選手としても人間としても、
個性も存在感もないと言われ続けてきた。
自分もそう思う。
ミーティングで発言する人間も決まっている。
殻を破ることが出来ず、自分の思っていることを他人に伝えることが出来ない人間が多い。
プライドが邪魔をし、自分をピッチ内外で表現出来ない。
ピッチ内の実力がそのままピッチ外にも影響する。
そんな学年が果たしてチームに必要なのか。
本気で考えた。
自分もまだまだ未熟で
周りからの干渉がなければ
苦しいことから逃れる。
自己中心的。
こんな人間の言うことを聞いてくれるのか。
本当の意味での信頼を得られるのか。
まずは“自分が変わる”と決意した。
今考えてみると学年を変えようと考え
行動していたつもりではあったが、
その考えはとても浅はかで
本気であったとは到底思えない。
どこか他人事で自分の問題ではないと
心の中では思ってしまっていた。
しかし今は違う。
自分は同期のメンバーが大好きだ。
共に切磋琢磨していきたい。
だからこそ
自分がこの学年を変えるという強い覚悟を持った。
自分の変化が必ず学年の変化につながる。
学年の変化が必ずチームの変化につながると信じている。
全ては2017年シーズン一部昇格を果たすために。
ここからは個人のことにについて
正直な気持ちを綴りたいと思う。
“当たり前なんて存在しない”
今の自分の心に響いた言葉である。
人には当たり前のことなど存在しない。
何かが起きて、サッカーが出来なくなることだってある。
普段当然だと思っていることは当然ではないのだ。
今ある全てのことに感謝しなければならない。
今を一生懸命生きないといけないと改めて感じている。
今この“想い”を考えているのも病室のベッドの上である。
辛くて逃げ出したくなるような現実。
しかし自分には支えてくれる方々がたくさんいる。
下を向いている場合ではない。
自分は一人の人間としてサッカー選手として
大きく成長するチャンスを迎えていると思っている。
家族
ア式蹴球部の仲間達
今まで関わってきた方々
多くの方々の想いに応えるためにも
ここで諦めるわけにはいかない。
成長した姿をピッチ上で表現する。
そして恩返しをしたい。
人間万事塞翁が馬
今に熱中していきたい。