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4年生の想い 〜渋谷勇太郎〜

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「人間、苦しい時に何ができるか」
これは私が大事にしていることです。

 

私はア式蹴球部に入部してすぐに肩の手術をしました。
長いリハビリの末ようやく復帰したものの、すぐにもう一度同じ怪我をしました。
とても苦しかったです。
手術は失敗だったのか、運が悪かったのか。
そういった思いが常に頭の中にありました。

 

しかし、そんな私はある姿を見て、変わりました。
毎日真剣にリハビリをする「4年生の姿」です。
他の選手とは明らかに取り組む姿勢が違いました。

一刻も早く復帰してプレーで貢献したい。
今プレーできなくても何とかしてチームに力を与えたい。

常に自分と向き合う姿勢から、本気の覚悟が伝わってきました。

 

自分でもびっくりです。
人の行動からこんなにも刺激をもらうとは思いませんでした。
自分の感受性が広がった瞬間でした。

 

言い訳がいつも頭にある自分を変えたくなりました。
行動が変わりました。
日々の準備に人一倍こだわるようになりました。

 

すると色んなことが見えてきました。
自分の周りには素晴らしい環境があること。
色んな人の支えがあって、今自分は大好きなサッカーに打ち込めていること。
いつからか、怪我した理由の主語は「外的なもの」から「私」に変わっていました。
怪我人の期間、何かを感じとり、自分にベクトルが向いたからこそ、行動が変わったのです。
そこから私は人間的な成長、そしてプレーヤーとしての成長を感じていきました。
 
周りにあることにアンテナを張って、感受性を高めてく、それが自分を更に成長させてくれると知りました。

 

でもそれ以上に大切なことがあります。
 
それは“いつ感じて行動するか”です。
どうして手術後により準備の大切さを感じたのでしょうか。
どうして怪我をする前に、周りへの感謝の気持ちが生まれなかったのでしょうか。
なんで失いかけてから、失ってから、その大切さに気付くのでしょうか。

 

先週、2部降格が決定しました。
その週のトレーニングは、緊迫した危機感の中、部員同士の想いと想いがぶつかり合い、今まで見ることのなかった熱いプレーや、勝利のために恥もプライドも捨てた行動が自然と湧き上がっていました。

「どうしてもっと早くからできなかったのか」

これも一緒です。
何かを失いそうになって、失って気づくのでは遅いのです。
本当に悔しいです。悔やんでも悔やみきれません。
降格が決まった次の日もなぜか涙は止まりませんでした。

 

でも過去はもう変えられません。
痛烈に感じているこの悔しさを心に刻み込んで、自分の頭で考え、「今」行動していくことに尽きます。

必ず後から気づくのです。
この週がとても大事であったことを。
かけがえのない時間だったことを。
苦しいけどとても幸せな時間だったことを。
後から今日の大切さを気づくのでは遅いのです。

 

最後に、私は今、怪我した時に見た、人の行動を変えるほどの本気の「4年の姿」を示せているだろうか。
最初に書きました。

「人間苦しい時に何ができるか」。

苦しいときにこそ、何を感じて、どう行動するかが大切です。
それが必ず成長につながります。
「今」から変えるのです。

 

本気でサッカーするのは最後です。残りの僅かで、かっこ悪くても、私はもがきます。
本気の「4年の姿」を見せます。