いつのまにか、大学最後の夏も終わりに差し掛かっている。
8月初旬のうだるような暑さも、今となっては少し名残惜しい。
ア式蹴球部の門を叩いたのが、2012年2月。あの日から3年と半年が経った。一年の時の、炎天下での草むしり、試合会場に大量の荷物を電車で運び、乗客から向けられた白い目。今となっては遠い昔となってしまった。
そして、4年になり一つだけ強く思っていることがある。それは、後輩にタイトルを獲ることの素晴らしさを伝えなければいけないということだ。今、タイトル獲得を経験してるのが、四年だけだ。大学一年時のあの日本一の景色を、何としても今の後輩に見せなくてはいけない。それが、私たち4年のミッションであり、義務である。伝統をなんとしても、引き継がなければならない。
そして、私個人の想いも、もちろんある。それは、関東リーグ制覇、日本一になった時、本気で「俺が関東リーグを制覇したんだ!」と胸を張れるようにすることだ。
大学一年の日本一の時は、スタンドで眺めていてどこか他人事であった。日本一になったという実感が湧かなかった。それは、チームにただ乗っかていたからだろう。そこからは、ピッチ内ではもちろん、ピッチ外でも何かチームを前に進められないかと考えてきた。広報という立場から、微力ではあるが貢献出来たのではないかと思う。
あと4ヶ月。残されたタイトルは二つしかない。それは、何としても獲る。
そして、早稲田大学ア式蹴球部の歴史と伝統を、自らの手で紡ぎたい。
早稲田大学ア式蹴球部
中村大志