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早稲田カップ in陸前高田 感想

10月28.29日に行われた早稲田カップin陸前高田を通して私たち部員はたくさんのことを感じ学びました。
参加した部員の中から数人の感想を掲載させて頂きます。

【1年 小山 修世】
 東日本大震災当時、私はまだ小学生でした。あの時はニュースでただ被災地の状況を見守ることしかできなかった私が、実際に被災地に行き子供達にパワーを与えに行くというのはとても感慨深いものでありました。子供達を勇気づけて笑顔にしたい!と陸前高田に向かった私ですが、実際に会ってみると溢れる笑顔とパワーにこちらが圧倒されてしまうほどで、終わってみれば笑顔とパワーを貰えたのは私の方でした。二日間、微力ではありましたが子供達と一緒にサッカーを楽しむことで復興に携われたこと、とても光栄に思っております。サンアルタスの子供達、御父兄の皆様、私を温かく受け入れてくださりありがとうございました。また来年、お会いしましょう。

【1年 楠 優輔】
 今回初めて陸前高田での早稲田カップに参加しました。大会を通して小学生がとても楽しそうにサッカーをしているのを見て、自分もサッカーを楽しむことを忘れてはいけないと強く感じました。子どもたちから刺激を受けることが多かったですが、本来は自分たち大学生も何かを与えられる存在にならなければなりません。そういった行動が出来ていたのかということをしっかりと振り返り、来年以降の活動に繋げていかなければいけないと思います。
また、震災から6年半が経ち、サッカーが出来る環境が整備されてる一方で、海沿いの地域は未だに建物が建っておらず復興はまだまだ進んでいませんでした。自分が出来ることは少ないかもしれませんが、この早稲田カップを通して少しでも復興の手伝いが出来ればと思います。

【2年森岡 和磨】
あの無邪気で素直な子供達が、環境などに制限されることなく広い選択肢を持てる将来づくりに自分も貢献しなければならないというのが自分が最も強く感じたことです。
今回は自分にとって2回目の活動参加でした。去年と同じようにバスの中から街の景色を眺める機会がありましたが、1年の間に劇的な変化が起こるはずもなく、改善されたとは言え震災の被害を鮮明に思い出させる風景が広がっていました。自分もですが、あの大震災が発生してから6年経過して、震災現場から離れた地域では多くの人が遠い昔の出来事でもう頭の中から当時の様子がほぼ忘れさられてしまっている現場があるように思います。しかし、当の現実はそこまで楽観視できるものではありません。確かに好転していますが、あの建物が何もたっておらずさら地が続いている状況の中でどうやって街として本当の活気が出てくるのでしょうか。今も現地に住んでおられる方々は強い心を持ち励んでおられますが、一刻も早く立て直さなれればなりません。私達だけが恵まれた環境の中で生活できていればいいはずはありません。
そして、このことで色々な制約を受けざるを得ない子供達がいます。私が担当させて頂いたチームのコーチから、今の子供達は子供達だけで外でボールを蹴ったり遊んだりすることができない状況にあったということをお聞きしました。保護者の方々が付き添う必要があるのですが、保護者の方々もそのような余裕は中々ありません。私の子供時代に当たり前であった、放課後の校庭でみんなで無邪気にサッカーをするという選択肢そのものが制限されてしまっているのです。子供達が自分達とは関係のない環境の理由で、色々な選択肢を狭められてしまう現状が存在するのです。
こういった現状を解決するのはだれかではなく、私、私達なのです。まずは自分個人としてあの忌々しい震災の記憶を忘れないこと、そして自分の周りの人々に伝えること、それが今の私にできる最低限のことです。

【2年 山中 龍祐】
 私自身、去年気仙沼での早稲田カップに引き続き、2度目の参加となりました。陸前高田で行われた早稲田カップは、陸前高田市サッカー協会の方やアシックスの方々、そしてOBの方々のご尽力、ご協力のもと、この大会が開催できました。非常に感謝の気持ちでいっぱいです。今回ボランティア活動に参加するにあたり、自分達部員が子供達に元気や活力を与えよう、そんな想いがあり、被災地に赴こうと決心しました。子供達は純粋にサッカーを楽しんでいました。試合の合間でも楽しくボールを蹴っていたり、パス練習をしたいがために自分を捕まえにくる子供達の姿をみて、逆に自分自身が元気をもらいました。コーチとしてなかなか勝利に導くことはできませんでしたが、子供達と一緒にサッカーができてとても楽しかったです。そして今回は子供達にサッカーを教えることだけでなく、高田クラブやアシックスの方々との交流試合もあり、人との繋がりの大切さを改めて感じました。
今回、多くの方のお話を聞させていただき、復興が進んでいるようでまだ進んでいないという現状を目の当たりにしました。そして自分自身のことを考えた時に、恵まれた環境でサッカーができているということを感じました。あの震災を風化させない、日々関わってくれる方々への感謝の気持ちを忘れない。このことが今私達にとって1番大事なのではないかと感じました。
最後に、改めて今回このような素晴らしい大会を企画してくださった皆様に感謝したいです。本当にありがとうございました。

【3年 飯原 健斗】
 陸前高田ボランティアは今回で3度目の参加となりました。毎年訪れる度にグランドの近くの道路が完成してきたりとインフラ等においても復興してきているように思いました。しかし実際には被災地の方にとっては心の傷を癒すことはなかなか難しく、津波で失った街は二度と戻らないという思いだと改めて感じました。
そんな中でも子供達の笑顔はすべての大人に元気やエネルギーを与えるものだと思いましたし、その子供達に何か夢や希望を与えることが私達のできることであり、責任だと感じました。今年も子供達と触れ合いサッカーを指導した中で子供達が喜んでいる姿をみて私自身も得るものが多くありましたし、彼らも何かを私たちから得ることができたなら良かったと思います。
6年半という長い年月が経ち日本人の多くの記憶の中から東北大震災が薄れていると思います。だからこそ毎年ボランティアを通して東北の現状を現地で見て感じている私たちが少しでも周囲に伝え、発信していくことが大事だと感じました。

【3年 春日 崇暢】
今回で3回目となる早稲田カップの参加になりました。担当させてもらったチームは去年と同様になかのFCさんでした。去年いたメンバーが数多く残っており、一学年上がった皆と一年越しに再会することができました。1年経ったみんなはサッカー面だけでなく、人としても成長しておりとても逞しかったです。また、なかのFCさんは私が小学校の時に同じ地区だったということもあり、よく対戦させてもらったチームでした。大学生になり、このような形で再び会えることになりとても嬉しく思います。
また今年もすがとよ酒店に足を運ばせて頂きました。今まで見たことの無かった当時の現状を見せて頂き、生々しい現実を目の当たりにしました。自分たちが足を運んだまさにその陸前高田の地が津波によってどれほどまでに恐怖にさらされ、多くの人を死に追いやったのか、目を背けたくなるほど痛感させられました。その当時に津波を経験した一人ひとりにしかしれ得ない事実であり、私たちは直接聞くことでしか知る由もなかったものでした。しかし、この震災も6年半が経ち風化しつつあることも事実です。私たちが少なからず出来ることはこの活動を続けることであり、一人ひとりが周りに発信していくことであると思います。今回参加した部員の書いた文章を通して一人でも多く知り、考えていただければと思います。そして、この大会を開催するにあたってたくさんの方々が支えてくださったことにこの場をお借りして感謝致します。

【4年松本 渉】
 私は今回で陸前高田復興ボランティアへの参加は3回目となりました。
グランド近くの途中までしかなかった道路は完成し、ほぼ平地になってしまった沿岸部にもいくつかの建物が建設されていました。3年前初めて訪れた頃に比べ復興が少しずつ進んでいるかように感じました。
参加チームの指導者の方々との懇親会や地元の酒店で講演会でお話伺う機会がありました。
若い人たちは地方から離れていってしまっていることや被災地のことはメディア取り上げられず、国の資金の多くは東京オリンピック開催などに当てられるという現状を改めて知りました。震災から6年半が経った今、復興はまだまだ進んでいないこと、一方で風化は急激に進んでしまっていることを痛感しました。
少しでも復興に関心を持ってもらうためにこのような活動を続けていくと共に、東京に帰ってからも家族や友人に被災地のことを伝えていきたいと思います。
1、2年時にも担当させてもらった鬼柳さんが最後の試合で初めて勝利することが出来た事が、個人的にはとても嬉しかったです。

【4年 野田 紘暉】
 先日、自身4度目となる早稲田カップに参加してきました。
一年生の頃、怪我人だからという理由で参加した初めての早稲田カップ。東北大震災後初めて被災地を訪れましたが、震災の爪痕と全く進んでいない被災地の状況に言葉が出ませんでした。早稲田カップではヴァレンテ遠野を担当し、二日間ずっと一緒になってボールを蹴って遊びました。
最終日のお別れの際に、子供たち、指導者、そして子供たちの親御さんから心のこもった感謝を頂き、ア式蹴球部に入部して以来初めてエンジのユニホームに袖を通していることに誇りを感じることが出来ました。今思うと、一年時に参加した早稲田カップが私のア式蹴球部での活動に変化を与えたキッカケだったと思います。それ以降、私はサッカー教室やボランティア活動といった社会貢献活動に積極的に参加するようになりました。怪我人生活が長く、ピッチの上ではア式に在籍している実感を掴めない私は社会貢献活動で出会う方々にア式の部員として感謝される事に魅力を感じていました。

話は少し変わりますが、ア式蹴球部には社会に利益をもたらすという理念があります。
利益と聞くと、経済的な話でお金であったり設備といった目に見える物を考えるかもしれませんがそうではなく、私たちが社会にもたらしたいのは夢や希望、勇気といったおよそ目には見えないモノのことです。

今年、4年生として最後の早稲田カップに参加しました。
担当のチームはなく本部での仕事でしたが、その分様々なチームの子供たちと触れ合う機会がありました。大会を通して気付かされたのは、私が想像していた以上に将来ア式でサッカーがしたいと言ってくれる子供が多いことと、それを期待している大会関係者の大人たちや親御さんが数多くいることです。4年目にして初めて本部を経験したからこそ早稲田カップの影響力の大きさを肌で感じることができました。
一学生である私たちには大規模な復興支援の取り組みはできないかもしれません。しかし早稲田カップは、子供たちに夢を与え、大人たちに元気をもたらすことができる素晴らしいスポーツを通した復興支援の大会だと思います。この大会を永続的に開催していくこと、そして、目標とされる大学生であり続ける為に、日々の行動やサッカーの結果で示し続けていくことが私たちア式蹴球部の復興支援の形であると感じました。

最後になりますが、早稲田カップを開催するにあたりお力添えして下さった関係各所の皆さま本当にありがとうございました。