1月14日(土)、15日(日)に陸前高田市、気仙沼市にて、プレ早稲田カップ2023を実施しました。
『早稲田カップ』は、東日本大震災発生後の2012年より、大学および競技スポーツセンターと共同して行っており、毎年部員がサッカーを通して陸前高田市、気仙沼市の皆様と交流を行ってきました。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2019年の第8回以降中止を余儀なくされ、今大会が3年ぶりの開催となります。
そこで、今大会は現地の皆様との交流を取り戻すとともに、ア式蹴球部内でも伝統を継承することを目的に、大会名を『プレ早稲田カップ2023』とし、活動を行いました。
今回は、1日目、陸前高田市での活動の様子を主にお届けします。
13日(金)の夜遅く、私たちは宿泊先・サンマリン気仙沼ホテル観洋に到着しました。
ホテルの目の前は港で、潮のにおいに満たされていました。
ホテルの皆様には温かく出迎えていただき、塩分濃度が高く、塩辛いという温泉に癒されました。
翌朝、朝食前、日の出の時刻に外に出てみると、漁に出ていたのであろう漁船が続々と港に戻ってきているのが見え、澄んだ空気と相まって、とても清々しい朝でした。
朝食後、バスで上長都グラウンドに向かいます。
到着した時にはすでに子供たちは集まっていて、ボールを蹴っていました。
部員たちは協力して少年サッカー用のコートを設営します。
開会式とコート作成を終えたあと、いよいよ各チームに分かれてプレ早稲田カップ2023 in陸前高田のスタートです!
陸前高田市からは、6チーム・84名の子供たちが参加してくれました。
部員たちは各チームに数名ずつつき、担当部員として1日を共にします。
午前中は3チームずつのリーグ戦を行います。
顔合わせから一試合目までは数十分しか時間がありませんでしたが、一緒にウォーミングアップを行ったり、ボールを蹴ったりすることで、すぐに打ち解けていたようでした。
試合開始後は、各ベンチ盛り上がりを見せており、部員も子供たちも一緒になって声を出していました。
試合がない空き時間も、絶えずボールを蹴ったり、走り回ったりする子供たちの元気には驚きました。
午前中の活動を通してかなり仲良くなった部員と子供たちは、昼休みにも、早々に昼食を食べ終え、練習やゲームをしていました。
午後はいよいよ順位決定戦です。
試合と並行して、低学年向けのサッカー教室も行い、そちらも大盛り上がりだったようです。
優勝はサン・アルタス大船渡でした。
県内2位の実力を持つチームだそうで、終始盤石の強さを見せていました。
最後には、チーム対抗リレーを行いました。
このリレーには大学生も本気です。
サッカーの試合に劣らない白熱した戦いが見られました。
そして、名残惜しくも閉会式。
各チームと、各チームの優秀選手にはアシックスジャパン様よりご提供いただいた景品が送られます。
解散後も各チームで集まり、別れを惜しんでいました。
陸前高田市での開催に参加し、たくさんの元気をくれた子供たち、開催にご尽力いただいた陸前高田市サッカー協会の皆様、差し入れなど温かいおもてなしをくださった保護者の皆様、大学生を受け入れてくださった各チーム指導者の皆様、本当にありがとうございました。
また来年も皆様にお会いできるのを楽しみにしております。
グラウンドを出発後、すがとよ酒店に向かいました。
3年前までも伺っていたすがとよ酒店では、女将の菅原文子様よりご自身のご経験をお聞かせいただきました。
震災により家族を失ったこと、ご自身も津波の中に取り残されたこと、行方不明になった旦那様が見つかるまでに長い時間がかかったこと、店舗が全壊しても商売をやめなかったこと、多くの人の支えがあってここまでこれたこと。
そのどれもに重みがありました。
途中には、津波の映像も見せていただきました。
震災から12年経った今、このお話をどう受け止めるのか、当時小学生だった私たち大学生が震災の経験をどのように生かしていくのか、新型コロナウイルス感染拡大という新しい困難にどう向き合っていくのか。
今回のプレ早稲田カップ2023の開催を通して問われているのだと強く感じました。
次回は、2日目、気仙沼市での活動の様子をお届けします。