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「ア女にいる私」vol.1 鈴木佐和子

本日からスタートする新企画「ア女にいる私」。
ア女で過ごした時間の中で見た景色、感じた想いを
それぞれの立場から一人一人が綴ります。
本日トップバッターを飾るのは、
背番号1番、今年主将を務める鈴木佐和子です。

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新企画である部員ブログリレー「ア女にいる私」のトップバッターを務めさせていただきます。鈴木佐和子です。ブログを書くことが初めてなのに加え、トップバッターということで4年生の思いやア式の部員ブログを読み漁り、勝手に参考にさせていただきました。ありがとうございます。拙い文章ですが最後まで読んでいただけると幸いです。

テーマが「ア女にいる私」ということでこれまでのア女での出来事を思い出してみましたが、思い出せば思い出すほど出てくる、出てくる。

インカレで優勝したこと
連覇が途絶えたこと
目標であったユニバシアードに選ばれなかったこと
前十字靭帯断裂、半月板損傷の全治6カ月以上の怪我をしたこと
筋力がなかなか上がらず復帰できないこと
主将になったこと

ああ、こんなこともあったなと思いつつもどの出来事も全力で取り組み、たくさんのことを考えていたなと思います。ア女にいたからこそ経験できたことだし、ア女に来てよかったと思います。このようなことについて、話したほうが良いと思うのですが私がア女にいて、一番自分を好きでいれて誇りに思える瞬間がゴールキーパーをしている時です。今日はそのことについて話していきたいと思います。上記の出来事についてはいずれお話しする機会があればそのときにたっぷりと話していこうと思います。

ゴールキーパーについての私なりの考え方や悩みを話していくので「ああ、こんなゴールキーパーもいるんだ。」というくらいの気持ちで読んでいただけたら嬉しいです。

私がゴールキーパーを始めたのは小学生3、4年だった気がします。正確には覚えていません。兄もゴールキーパーをやっていたことから妹ならできるだろうと言われ男子チームのなかでゴールキーパーを始めました。当時は「何で私がやらなきゃいけないの」と不満を持ちつつも、誰もやりたがらないポジションを男子チームの中でやっていることから周りが事あるごとに褒めてくれたので、それが嬉しく続けていました。

しかし中学生になりクラブチームに所属するとキーパーというものと真剣に向き合うことになり、これまでキーパーをしていて感じていた嬉しさはほとんど感じなくなっていました。
ゴールを守る責任、信頼を得なければピッチに立てない。そして信頼は一瞬でなくなること。これが私にとってキーパーをするうえでとても怖く、辛いものになりました。
よくキーパーをしていると「ボール怖くないの?痛くないの?」と聞かれますが「怖くない、痛くない」と必ず答えます。
だってそれ以上に怖くて辛いものを知っているから。
ピッチ上で見る景色は10人の背中です。そして振り返ってくれるときは失点をしたときです。これまで一緒に戦ってきた仲間が悔しさと失望の目を向けてくるのです。この瞬間がとても怖いです。
キーパーは孤独なんだと思わされます。
90分間この孤独とも戦わなければいけないのです。
この気持ちを必死に隠しながらプレーをします。もし気持ちがプレーにでてしまえば信頼を無くすからです。
キーパーはよく変人だと言われます。そう見えてしまう私なりに考えた理由は、キャラを作ることで本当の気持ちを隠しているからだと思います。キャラを演じていないと自分でも気持ちをコントロールできないのだと思います。(全員がそうではないです。)

いくら技術を身に付けても、一瞬の気のゆるみ、一歩分ずれたパス、0.5秒反応が遅れただけで失点に繋がり、これまで築き上げてきた信頼を失います。一瞬にしてどん底です。
だから少しでも信頼を無くさないために練習だけでなく、普段の立ち振る舞いにも気をつけます。ピッチでもピッチ外でも同じように厳しくすることもあれば、ピッチでの厳しさを際立たせるために、普段はおちゃらけることもあります。実際に私は高校生のとき後者をしていました。

普段から気を張り続けることが当たり前になっていました。
どうしてキーパーなんかやっているのだろうと何度も思いました。
何度この恐怖と辛さに向き合えばいいのか。
もちろん、辞めたくなるときもありました。

自分でもここまで続けられていることが不思議です。

ではなぜここまで続けられたのか。
それは怖さや辛さのほうが多い分、小さなことでもうれしさや楽しさを倍感じられるからだと思います。シュート練習のシュートを一本止めただけでも、練習で行うゲームで無失点におさえるだけでも嬉しいんです。
そして素敵なキーパーチームがあるおかげだと思います。
時に厳しくなることもありますが、キーパーの難しさや気持ちを一番理解してくれる仲間がいるだけで救われます。ア女のキーパーチームにはとても感謝しています。

冒頭ではキーパーをしている瞬間が一番自分を好きでいれて、誇りに思えると書きましたが、文章を書き進めるうちにキーパーをしている自分を好きになるように、誇りだと思い込むようにしていたのかもしれません。
「よく頑張ったぞ、私」「良いプレーをしたぞ、私」と自分で自分を褒めていき、目の前の怖さと辛さと戦っていたのかもしれません。

これだけ怖さや辛さについて語りましたが、キーパーをやっていることに後悔はありません。これからも全力でゴールを守ります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
現在コロナウイルスの影響で大変な時期ではありますが、各自が正しい行動を心がけ、乗り越えて行きましょう。

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以上です。
次回もお楽しみに!
阪本