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「SHOWTIME」3年・大和翔

 

🌟大和翔(ヤマト ショウ)
⚽️モンテディオ山形jrユース → 山形県立鶴岡南高等学校

 


 

 

 

現在、ア式の公式Twitterのフォロワーは7300人を超えました。全員ではないとはいえ、大勢の方がご覧になっていると思うと、プレッシャーで少々手が震えております笑。

しかし、このブログを書くことで、今までのサッカー人生を振り返り、初心に戻ることができました。

 

 

「まじア式かっこいいっす!憧れなんですよ!握手して下さい。」

 

先日、高田馬場のロータリーで酔っ払い学生と出会い、こんなことを言われた。
彼らは早稲田の某サッカーサークルに所属している。

面白い奴らだなと思って笑って受け流していたが、実際かなり嬉しかった(笑)。

「ア式は自分の中ですごく憧れで、今年なんか、お前のレゾンデートルはなに?とかチーム内で言ってるんですよ!」

 

“レゾンデートル”
これは「存在意義」という意味のフランス語で、今シーズンの早稲田を語る上で欠かせないホットワードである。
その言葉が今では部活の域を超え、サークルでも使われている。自分たちのやっていることが外部に影響していることを知り、驚きと共に感動を覚えた。これこそア式のレゾンデートルだと思う。
これからも大学サッカーの枠組みを超え、日本をリードしていくア式蹴球部の活動にぜひ注目してください!

 

 

 

話はがらりと変わるが、
さっきの彼らはまるで、ア式に入る前の自分を見ているようだった。ア式に憧れを持ち、キラキラした目をしていた。

少し昔の自分を振り返ってみよう。

入部前の自分は早稲田大学ア式蹴球部という存在にとてつもなく憧れを持ち、1日でも早く部の一員になりたくてたまらなかった。
きっかけは高校3年の秋だった。
関東リーグの早慶戦を母と観戦した時だ。
結果は早稲田が2-1で勝利をおさめたのだが、試合終了のホイッスルがなった瞬間の光景が今でも忘れられない。
選手だけでなく、ベンチ、スタッフ、応援団も含めてみんなが抱き合い、嬉し涙を流す。
リーグ戦で、しかも優勝を決めたわけでもないのにこんなにアツくなれるのか。
最高に美しい光景だった。
こんな組織でプレーしてみたい!あの輪に入って紺碧の空を歌いたい!
そう強く思った。

上京して間もなく練習場の近くの寮に入寮した。
寮で隣部屋だった神山が、先に練習生として活動に参加し、きつい朝練や雑用に苦しんでいるのを見ていたが、自分は「やっぱりやめようかな」とはならなかった。
むしろ早く同じ苦しみを味わいたいとまで思っていた。
ドM(笑)。だいぶキモいですが、それほど憧れが強かったんだと思う。

 

「なぜそこまでして大学でサッカーをするのか。」

 

サッカー強豪校出身ではない自分は、普通だったらサークル活動やバイトをしながら勉学に励み、休みは旅行に行き、などという一般的なキャンパスライフが想像される。

そんな中、自分がア式蹴球部に入ろうと決意したのには当然理由があった。

 

 

『証明』
自分は弱い人間だ。
周りからの影響をすぐに受ける。
良い意味でも悪い意味でも。

振り返ると、今までの私の人生のモチベーションは、他人からの評価だった。

特に、まわりから褒められたり、すごいと思われるのがたまらなく気持ちよかった。
いわゆる承認欲求というやつだろう。
自分という存在を他に証明したかったのだ。

 

中学はJクラブの下部組織に所属していたが、
中3の夏頃、ユースには上がれないとわかり、プロを目指す道ではなく、勉強の道にいくことを決意した。
地元の進学校に進んだ私は、進学校で選手権に出たら、どれだけ気持ちいいだろうかと思い、毎日練習に励んだ。

結果は全くついてこなかった。
全国など夢のまた夢。

なにより悔しかったのが、中学までは自分よりも下手だった選手が強豪校でしのぎを削ることによって自分より上手くなっていたことだった。
本気でサッカーに打ち込む姿がキラキラして見えた。

自分ももっとできるはずなのに…
理想と現実とのギャップにうんざりした。

それから、さらに高いレベルに身を置いてサッカーをしてみたいと思うようになった。
一度はあきらめたサッカーでまたチャレンジしたい。
自分はもっとできるということを『証明』したい。
そんな思いで、ア式蹴球部に入部した。

 

 

 

こうして私の第2のサッカー人生がスタートしたわけだが、現実はそんなに甘くなかった。

圧倒的なスピード感の違い、強度の高さ、テクニック、サッカーIQの高さ。
それだけではない。それぞれが将来に対しビジョンを持ち、それに向かって努力していた。
なにをとっても敵うものがなかった。
これが全国レベルのメンバーが集う組織か。

カテゴリーはほとんどBチーム。
やっとの思いで Aチームに入っても何もできずに終わる。
学年が上がれば、下からどんどん上手いやつが入ってくる。
はやく上がらないと4年間終わっちゃう。
焦れば焦るほど思うようなパフォーマンスができない。いつの間にか周りとの実力差に劣等感を覚え、入部前の自分とはかけ離れたものになっていた。
「自分はこのチームで必要とされているのだろうか?」
自信を失い、サッカーが嫌いになったこともあった。
こんな感情になったのは初めてだった。
なんにもできない。情けない。

“レゾンデートル ”
冒頭でも述べたこの言葉が私の頭をよぎる。
自分は今なんのためにサッカーをしているのか。
このチームにおける存在意義は何なのか。
試合に出ていない自分に存在価値はあるのか。

 

この3年間自分がこのチームに貢献したと胸を張って言えることは一つもない。

 

 

しかし、こんな自分にも期待してくれる人がいる。
自分がどんな状況であっても、両親はいつも陰で支えてくれるし、友人たちはいつも期待し、応援してくれている。
自分が出ていない早慶戦にもわざわざ遠いところから来てくれた。
「毎試合チェックしてるよ。」や「この前の試合、点取ってたね!」という言葉には何度も救われた。
こんなにも期待されている自分は幸せ者でしかない。
そして、この大きな期待に応えるのは私の使命である。

 

 

サッカー人生のラストイヤー。
この一年でサッカー選手としても人間としても、もっともっとデカくなりたい。
やるべきこと、やらないで後悔することはたくさんある。

必ず試合に出てチームに貢献する。
4年生としてチームを引っ張る。
そして今まで支えてくださった方々への感謝の気持ちをピッチで表現する。
自分の成長を証明する。

これらすべてが自分の存在意義に繋がる。

早稲田大学ア式蹴球部における私の“レゾンデートル”を確立すべく、残り1年間奮闘します。

魅せます。
14年間のサッカー人生の集大成を。

It’s showtime!