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早稲田カップ2024 in陸前高田

1月14日(土)、15日(日)に岩手県陸前高田市上長都グラウンドにて、早稲田カップ2024を開催しました。

早稲田大学ア式蹴球部は東日本大震災発生後、2012年から毎年東北を訪れ、復興支援やサッカーを通した交流を行ってきました。
コロナ禍を経て3年ぶりの開催となった昨年は、「プレ早稲田カップ2023」として現地の皆様との交流を取り戻すことを目的に開催し、今年はついに4年ぶりのコロナ禍前の規模での開催となります。
早稲田カップが開催される「上長都グラウンド」は、ア式蹴球部のOBで、東日本大震災発生直後から最前線で復興支援を続けてこられた加藤久様が中心となり、「被災地の子供たちが運動できる場所を」という想いから創設されたグラウンドです。
加藤様をはじめとしたグラウンド創設に携わった方々の想いや軌跡を感じ取りながら活動に臨みました。

参加部員32名は14日(土)の朝に新幹線で東京駅を出発し、一ノ関駅へ向かいました。
一ノ関駅からグラウンドまではバスで1時間ほどです。
バスがグラウンドに近づくにつれて、子供たちの姿が見え始め、部員たちの心も躍ります。

今回の参加チームは計8チームで、それぞれのチームに4名ずつの部員がつき、2日間共に優勝を目指します。
昨年のプレ早稲田カップ2023以来、1年ぶりの再会を果たした部員や子供たちもおり、子供たちが覚えていてくれたことに喜ぶ部員も多く、嬉しそうな表情が随所に見られました。

開会式を終えると、早速試合に入ります。
1日目は4チームずつ2つのグループに分かれて予選リーグを行いました。
途中雪が強く降る時間があり、雪に慣れない大学生たちはみんな鼻を赤くして凍えていましたが、子供たちは特段気にする様子もなく、その逞しさに驚きました。
急に降り出す雪は陸前高田では日常で、もっと強く降ることも珍しくないそうです。
白熱した戦いが繰り広げられる傍らでは、空き時間を利用して各チームごとでの交流が行われていました。
試合と交流両方を通して仲を深めることのできた1日目でした。

また、今回令和6年能登半島地震を受けた取り組みとして、「共にがんばろう 北陸」の横断幕を作成、東北に持参し、参加部員、子供たち、保護者の皆様、指導者関係者の皆様で寄せ書きを行いました。
何を書こうか長時間悩みながらも、自分なりの言葉でメッセージを考えてくれた子もいました。
ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。

1日目終了後に宿泊したホテルの近くには「奇跡の一本松」があり、数名の部員がそこまでランニングしに行ったようです。
現在は保存整備が施されていますが、変わらずそびえ立つその力強さ、対照的に静かな周囲の様子、普段東京では決して見ることのできない満天の星空に、各々の部員が感じるものがありました。

2日目は、順位決定戦に先駆けて、フレンドリーマッチとお楽しみ企画が行われました。
フレンドリーマッチは、出場機会が少ない、主に低学年の子たちのための試合です。
まだサイズの大きなユニフォームを着て、懸命にボールを追いかける姿は、かわいげがありながらも頼もしく、来年以降の早稲田カップでの活躍も楽しみに感じます。
試合中はベンチから同じチームの高学年のメンバーからも声援が飛び、どの試合も拮抗した展開となりました。

お楽しみ企画は、2部構成で、前半は大学生による講座を開催しました。
ドリブル講座、フリーキック講座、シュート講座、ヘディング講座、1対1講座、女子サッカー教室を、それぞれを得意とする部員が担当し、子供たちは好きなブースを選んで回ります。
内田GKコーチとGK部員によるGK教室も開催され、子供たちの真剣な眼差しが印象的でした。

後半は各チーム対抗のリレーを行いました。
昨年も大盛況だったこの企画は、学年ごとにコースの長さを変え、大学生を含むチーム全員が走ります。
一番人数の多いチームに合わせて19人でバトンを繋いだリレーは終始声援が飛び交い、大槌サッカークラブジュニアの優勝で幕を閉じました。

お昼休みには、高田フットボールクラブの皆様よりおにぎり弁当の差し入れを、鬼柳サッカースポーツ少年団の皆様にカレーうどんの炊き出しをしていただきました。
子供たちと一緒に食べるお昼ご飯は会話も弾み、箸も進みます。
お昼休み後すぐに試合があることを忘れてつい食べ過ぎてしまう部員、子供たちもいたようですが、それだけおいしく、充実した時間だったようです。
温かいおもてなしをいただきありがとうございました。

いよいよ午後は順位決定戦。
1日目に比べて各試合の実力が近い分、より盛り上がる試合となりました。
これが早稲田カップ最後の試合となることもあり、各チームの円陣や声援にも力が入ります。

優勝したのは、MIYAKO・SC・U-12でした。
レベルの高いパスワークとシュートの質は、試合を観ていた兵藤監督も驚くほど。
圧倒的な得点数と失点の少なさで、全勝での優勝を決めました。
おめでとうございます!

大会結果は以下の通りです。
優勝 MIYAKO・SC・U-12
準優勝 大槌サッカークラブジュニア
第3位 FCサンアルタス大船渡
第4位 大船渡三陸FCシーガル
第5位 江釣子FC
第6位 高田FC
第7位 鬼柳サッカースポーツ少年団
第8位 和賀FC

表彰式では、優勝、準優勝、第3位のチームへのトロフィーの授与、個人賞として、各チームMVP、大会MVP、ベストGK賞の表彰が行われました。

表彰式終了後には、高田高校、大船渡高校のみなさんと交流試合を行いました。
試合を見ていた子供たちからは、担当していた大学生への大きな声援が飛び、それに応える大学生の姿が見られました。

4年ぶりとなる本来の規模での早稲田カップ2024in陸前高田の開催は、現地の皆様をはじめとした多くの方々のご尽力があり成し遂げられました。
初日のグラウンド設営や差し入れ、炊き出しのご用意、各チームからいただいたありがたいお言葉やお土産、そのどれもが温かく、元気をもらいました。
誠にありがとうございました。
「また来年も来る?」と少し不安げに、恥ずかしそうに聞いてくる子供たちの姿を嬉しく思うと同時に、子供たちに誇れる姿でいなければならないという責任も感じました。
「来年も来たい」
参加した部員は全員が口を揃えてこう言います。
子供たちや現地の皆様にいただいた活力や元気をサッカーをはじめとした日々の活動を通して還元し、また来年胸を張って皆様に会いに行きます。

今週末20日(土)、21日(日)には、早稲田カップ2024in気仙沼が開催されます。
2週連続で子供たちや東北の皆様と交流させていただけることへの感謝の気持ちを忘れずに、引き続き取り組んでまいります。