こんばんは!
本日の担当はこちらの部員です。
今回ア女日記を書かせていただきます。3年の井上 萌です。あっという間に20歳になり、泣くまでやり続けた小論文と面接練習をしていた頃から3年が経とうとしています。ドキドキだった練習会、初めての入試、合格発表がまるで昨日のように感じます。
先ほど、小論文という言葉を出しましたが、私はスポーツ自己推薦で合格しました。そのため、たくさんの小論文を書きました。そこにはガッツポーズは果たして良いのか、個と組織とは何か、型にはまるとはどういうことか、部活動でがむしゃらにサッカーをするだけでは得られない、そんな知識を小論文を通して得ることができました。その中に、「八合目から頂上」という題材のものがあり、(この日記のテーマでもあるのですが…)なんだか今の私の状況と被るものがあるので想いと共に綴りたいと思います。
この課題文を少し要約しますと、『地上から山を登ると考えたとき、一合目から八合目まではどのような人でも行ける。ただ、八合目から頂上までは誰でもが行ける世界ではない。どうしたら行けるものなのか。これを、一合目から八合目の世界を「手すりのある世界」とし、八合目から頂上までを「手すりのない世界」とする。』
これを当時、何となく解いていましたが、添削のときに先生に言われたことがあり、今でも覚えています。「八合目から先ね〜。スポーツ選手のトップを争うってそういうことじゃない?ある程度の選手なんて腐るほどいるのよ。そこまで行くのは指導者に従順で、やり方さえ教えて貰えばできる境地なの。でも早稲田が求めてるものや、貴方が目指しているものってその先にあるんでしょ?」
先生の仰る通りで、小学生から高校生まで、監督の求めるものや期待に応えれば、褒めてもらえるし、自分も成長しているって実感できる。チームメイトからの承認は私の居場所を与えてくれる。できなかったら、教えて貰えばいい。いつだって答えは用意されてる素敵な世界でした。そんな世界で私も一躍スターになれました。
少し話は逸れますが、ここで私がどんなプレイヤーか?
触れておこうと思います。
私は長短含めて走るのが得意じゃない選手。受け手より出し手、得点よりアシストが嬉しいプレイヤーです。実は守備より攻撃の方が好き。攻撃(ボールの保持)は相手に攻撃させていない=実質守備でしょ?そうやって考える選手です。だから、誰よりもビルドアップを大切にするし、そこにこだわりを持ちます。
私はスピード勝負が得意ではないから、何で勝とうか。
戦術眼と予測、そして存分に仲間を使ってボールを奪う。これは私の短所が生み出した、私の長所。個で勝てないなら、仲間とボールを操ればいいし、萌の逆取れた!は基本私の範疇にする。考えるスピードを鍛えてきました。
そんな私が何をもって八合目なのか。
2年生、試合に出たい一心で取り組んだ毎日。自分の公式戦は木曜日のゲバだってずっと思っていた。目の前の相手に勝てば、スタメン。だけど、いくら勝っても、いいプレー、自分の良さを全面に出して、無失点にしてもチームの公式戦には出れない。紅白戦のAチームが変わることなんてなかった。上手くなるための練習なのに。いつしか矢印は全部監督に。試合にも出れないなんてつまらない。ここに居てもこの先も変わらないんじゃないか?だったら早く移籍して結果を出したい。シーズンインの前に史さんに辞めたいって言いました。ただその際にもずっと言い続けてくれたことが、「貴方は技術も頭脳も本当に素晴らしい選手、あとはフィジカルだけだから。でもそれを分かってるんでしょ?だったら一緒に頑張ろう。」
そう。私が八合目から先に行けない理由。自分の弱さに気づいているのに、見えないふりをして逃れてきたこと。ア女を辞めたいって思ったのも同じ。”出れない”ことに初めて直面し、崩れたプライド。最後は監督からの承認が欲しいというエゴ。この弱さって結局、九合目や頂上に行くためには免れられない壁なのです。この弱さがあったから、得たものもたくさんあって、私の武器にもなってくれました。だけど、断ち憚るのは私の短所。どの道いっても結局迷ったときにはここにたどり着く。
「フィジカルがあればなあ。」
もう、自分の良さだけでは解決できないレベルに到達しました。足を引っ張るなら引き上げるしかない。だってもう手すりのない世界に半分足を突っ込んでいるのだから。ここから先は自分次第。トップレベルで感じる差は小さいはずなのに、とても大きく感じること。長所はいくらでも伸ばせ、そのためには短所を最低限引き上げろ。福さんに出逢っていただいたこの言葉。自分と向き合うのに背中を押してくれました。
よし、私の弱さは今日をもって公言したから、後は向き合って行動するだけだ。
覚悟は決めたけど、簡単にできなくて普通に落ち込むこと。悔しくて涙を流すこと。自分が嫌になること。予期せぬことなんで起きて当たり前な九合目。それでも私は踏み出したい。上りつめていきたい。転んでもいいから、立ち上がりたい。ずっと逃げてきた自分だから、すぐに上手くはいかないだろうけど、焦れずにやるしかありません。手すりがないなら自分の頭脳と、この恵まれた環境を上手く使って、自分の足で進めばいい。これが自分を第一優先にできる最後のチャンスかな。あと半年後にはチームを引っ張る4年生ですからね。そのときには胸張って過去の自分に伝えたいです。弱い自分と向き合う時間も悪くはなかったよって。
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以上です。
明日もお楽しみに!
津田